キャッチーなタイトル+目を引くサムネ=読みたくなるマンガ
今回のテーマは「作品を見てもらうためのサムネの法則」です。
サムネはタイトルと同じくらい、作品を読んでもらうために大事です。
では「マンガをつい読みたくなるようなサムネ」とはどんなものでしょうか?
人は「違和感」に惹かれる
まずはコチラをご覧ください。

では、この中に『プロ漫画家が聞く!デジタル時代の製版超入門』(コミチ出版)を
入れてみるとどうでしょうか?

いかがですか?
かなり極端な例ではありますが、
「製版超入門」の文字がひときわ目立ちますね。
他の作品が「絵」を全面的に押し出しているため、
「文字」で攻めている『プロ漫画家が聞く!デジタル時代の製版超入門』は
他の作品と違って目立っています。
ズバリ!
この「違和感」こそが「うっかり覚え」を引き起こします。
人は「違和感」に敏感です。
そして、人は「違和感」に弱い生き物です。
違和感を覚えると、そのサムネが頭から離れなくなります。
自分のサムネがいかに「他とは違う!」と思わせられるかが勝負です。
他とは違うからこそ頭に残り、「気になっちゃう!」につながります。
「目を引くサムネ」が読者に「読んでみようかな?」と思わせるのです。
今すぐチェック!サムネ3原則!
「目を引くサムネ」を作るためのポイントは3つ!
① シンプル or 書き込み 両極端に
② サムネは中身と「等身大」
③ メリハリのある構図
まずはサムネを「シンプル」にするか、「書き込み」を多くするか――
どちらにせよ、極端であれ!
シンプルなサムネにするならば、とことん無駄を省いて情報を最小限にしましょう。
書き込んだサムネにするならば、とことん細部までこだわり抜いて書き込みましょう。
スタイルを徹底的に貫いたサムネが読者の目を奪います。
次に、サムネはマンガの中身とクオリティに差をつけすぎないこと。
「見かけ倒し」は今後の自分の作品つくりにも影響を及ぼします。
サムネと同等のクオリティを求められても、
その高い画力を維持してマンガを描き続けられないのであれば、
マンガ家も読者もつらくなるだけです。
お互いに楽しくないマンガは「よいマンガ」ではありません。
サムネは中身と「等身大」にして、
サムネと実際のマンガの中身に大差をつけないようにしましょう。
とはいえ、サムネは「読んでもらう」きっかけづくりの重要なカギです。
書き込んだこだわりのサムネを作りたい方は、
中身+αで少し背伸びをするくらいに留めておいたほうがよいでしょう。
一番重要なのが、「メリハリ」のある構図です。
全面的に押し出したいものとオマケの情報の書き分けをします。
また、「なにもない」空間を上手く使うこともコツです。
情報がつまりすぎて「よく分からない」サムネにならないようにしましょう。
「伝わる」サムネは、伝えたいことと後回しにしてもいいことのメリハリがついています。
文字と絵にメリハリをつけて、いかに動きを出せるのかが勝負どころです。
「メリハリ」をとことん追究する
さて、これまで作品を見てもらうためのサムネ作りのポイントを説明しました。
では、このポイントを身につけるためには何をすればよいのでしょうか?
まずは「目」を養うことから。
事前準備として、自分が「いいな」と思ったタイトル・表紙・サムネを集めて
「スクラップ」を作るといいでしょう。
そして、それを参考にしてサムネ作りをしてみます。
スクラップの構図を完全にトレースしてしまうことは良くありませんが、
スクラップから「自分の好きなサムネデータベース」を作り出すことはできるはずです。
「なんで自分が他のサムネと比べて『いいな』と思ったのか?」を考えながら、
自分の「好き」を詰め込んだサムネを作ってみましょう。
とはいえ、自分の「好き」だけを詰め込んだサムネでは中身まで読んでもらえません。
しっかりと、他のサムネとのメリハリがついているか確認しないと、
サムネの群れに埋もれてしまって、覚えてもらえなくなります。
他のサムネと自分のサムネを並べてみて、
自分のサムネの何が目立っているのかを分析しましょう。
実際に、「うっかり理論」を応用して
架空のマンガ作品「コミチ」のサムネを作ってみます。
自分の作品のライバルはコチラ↓

booklistaSTUDIOの連載マンガたちと競合すると仮定します。
なかなかの強敵ぞろいです。
書き込みが多くて絵がキレイなサムネも目に入りやすいですし、
登場人物をあえて出さずに効果音だけのサムネもなかなか印象に残ります。
このように、他のサムネとは違った「何か」を強調する、
つまり「メリハリ」をつけることで、自分の作品を目立たせることができます。
どのサムネも絵のクオリティが高いので、
あえて、文字だけで勝負!!

では、このサムネを先ほどのサムネに紛れ込ませてみます。

いかがでしょうか?
「コミチ」という単語をうっかり覚えてしまいそうですよね?
このように他の作品とのメリハリをつけることで
「何かが違う」という違和感を与えて、
うっかり覚えてしまうようなサムネを作ると
マンガの内容が気になって読んでしまうことにつながるでしょう。
これはほんの一例ですし、極端な例ではありますが、
「自分だったらこんなサムネを作る!そうすれば目立てる!」を考えて、
実際にサムネを作ってみてください。
練習あるのみ!
まとめ:メリハリのあるサムネが好奇心を刺激する
前回も述べた通り、作品を読んでもらうために力を入れるべきなのは
「サムネ」「タイトル」「第1話」
この3つです。
読者が最初に目にするのは
ズバリ...
「サムネ」です!
「ジャケ買い」ならぬ「サムネ読み」
サムネから自分の作品を覚えてもらい、
中身が気になって第1話を読んでもらえたなら、こちらの勝ちです。
…継続して読んでもらいたいなら、
「第1話」にも力をそぞく必要があるのですが、
それはまた日を改めて。
自分の作品のサムネを見てみてください。
他の作品と並べると目立ってますか?
メリハリがありますか?
自分のサムネをみて「なんだか気になっちゃう!」と思いますか?
まずは、100人にうっかり覚えてもらえるようなサムネを目指して
メリハリのあるサムネ作りを心がけてみましょう。